
土量計算は、道路工事や造成工事において、切土や盛土、埋め戻しの土量を算出する業務です。
見積作成や運搬計画の策定、出来高の把握、出来形検査など、工事の各段階で必要とされるほか、災害時には土砂崩れの被災状況把握や復旧計画の策定にも活用されます。
従来は平均断面法での手計算が主流でしたが、複雑な地形では誤差が生じやすく、断面作成やエクセル計算の作業工数も課題となっています。こうした背景から、近年は3次元測量で取得した点群データを専用ソフトで処理し、高精度で効率的に土量を算出する方法が普及しています。i-Constructionが推進される中、点群データを活用した土量計算への移行は、生産性向上や競争力を左右する重要な要素といえるでしょう。
本記事では土木・建設業界の実務者向けに、土量計算の基礎知識をはじめ、点群データを使った効率的な計算方法、点群処理ソフトの選び方まで網羅的に解説します。ぜひ参考にしてください。

【監修者】宮谷 聡
ローカスブルー株式会社 代表取締役社長
Airbus社にてエンジニアとして勤務したのち、シリコンバレーのAirware社、イスラエルのAirobotics社で製品開発や技術営業、海外拠点立ち上げを担当。2019年にスキャン・エックス株式会社(現 ローカスブルー株式会社)を創業し、建設業界向けの点群処理ソフト「ScanX」を提供。

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目次
土量計算の基礎知識
土量計算とは、切土や盛土、埋め戻しの土量(体積)を算出する業務です。道路工事や造成工事、河川工事など、幅広い現場で実施されます。
土量計算は、見積作成から出来高把握、出来形検査まで、工事のあらゆる段階で必要です。残土の搬出計画や盛土材の調達、原価管理の根幹となる業務でもあり、算出結果はプロジェクト全体の収益・工期に直結します。
計算を誤ると、予期せぬ残土処分費の発生や、材料不足による工期遅延につながる可能性があります。現場条件に応じた適切な計算方法を選び、精度を確保することが重要です。
【作業工程別】土の状態の違い
土木工事では、地山を掘削して運搬し、盛土・埋め戻しを経て転圧によって締め固めます。こうした作業工程に応じて、土は次の3つの状態に変化します。
- 地山:掘削前の自然な状態
- ほぐした土:地山から掘削し、粒子がほぐれた状態
- 締め固めた土:盛土・埋め戻し後に、転圧して締め固めた状態
土は状態によって体積が変わるため、正確な土量計算を行うには、3つの違いを正しく理解することが大切です。
土量の変化率と計算方法

掘削する土量(切土)と、現場で使用する土量(盛土)は同じではありません。土は掘削してほぐれると粒子間に隙間ができるため、体積が増加します。一方で、盛土を転圧すると、一般的には密度が高まり体積が減少します。
土の状態によって変化する体積の比率を「土量の変化率」といいます。地山の体積を1.0として、ほぐした状態への変化率を「ほぐし率(L:Loose)」、締め固めた状態への変化率を「締固め率(C:Compact)」で表します。
土量の計算式は以下のとおりです。
- ほぐした土量(m³) = 地山の土量 × ほぐし率(L)
- 締め固めた土量(m³)= 地山の土量 × 締固め率(C)
例えば、地山の土量が100m³で、ほぐし率Lが1.2の場合、ほぐした土量は120m³になります。
変化率を正確に把握すれば、ダンプの手配台数や盛土材の必要量を適切に見積もることができます。
ほぐし率「L」と締固め率「C」の目安
ほぐし率Lは1.0より大きく、締固め率Cは1.0より小さい値が基本です。ただし、岩系の土質では、締固め率は1.0以上となる場合もあります。
変化率は土の種類(岩・砂・粘土など)によって大きく変わります。
国土交通省が定める標準的な変化率は、以下のとおりです。
| 土の種類 | ほぐし率(L) | 締固め率(C) |
|---|---|---|
| レキ質土 | 1.20 | 0.90 |
| 砂及び砂質土 | 1.20 | 0.90 |
| 粘性土 | 1.25 | 0.90 |
| 岩塊玉石 | 1.20 | 1.00 |
| 転石混り土(Ⅰ) | 1.25 | 0.96 |
| 転石混り土(Ⅱ) | 1.32 | 1.04 |
| 転石混り土(Ⅲ) | 1.39 | 1.11 |
| 軟岩(Ⅰ) | 1.30 | 1.15 |
| 軟岩(Ⅱ) | 1.50 | 1.20 |
| 中硬岩 | 1.60 | 1.25 |
| 硬岩(Ⅰ) | 1.65 | 1.40 |
| 硬岩(Ⅱ) | 1.65 | 1.40 |
上記の数値は、地山体積を基準とした標準値の一例です。実際の土量計算では、設計書や現場条件に基づき、対象となる土質区分を適切に判断したうえで変化率を適用します。
土量計算が必要となる主な場面
土量計算は、見積作成から出来形検査まで、工事の各段階で必要となる作業です。
ここでは、土量計算が必要となる主な場面について解説します。
【土量計算が必要となる主な場面】
- 【施工前】設計・見積作成・運搬計画の策定
- 【施工中】出来高の把握・進捗管理
- 【施工後】出来形検査・提出資料の作成
- 【災害時】被災状況の把握・復旧計画の策定
【施工前】設計・見積作成・運搬計画の策定
施工前には、現況地形と設計図面を比較し、施工に必要な切土量・盛土量を算出します。
建設コンサルタントは、主に現況測量をもとにした設計工程で土量計算を行います。切土量・盛土量を算出して計画の妥当性を確認し、積算や発注の根拠となる設計数量を作るのが目的です。
一方、建設会社では、起工測量後の施工計画工程で土量計算を行います。現場の状況が設計時とは異なる場合があるため、起工測量により正確な土量を把握することが重要です。
そのうえで、発注者から提供される設計数量(切土量・盛土量)を用いて、運搬土量や搬入土量を算出し、ダンプ手配や運搬・仮置き計画、見積作成、工程計画を策定します。
【施工中】出来高の把握・進捗管理
施工中は、定期的に測量を行い、切土・盛土・埋め戻しの完了度や残土量を把握します。
日次や週次で土量を更新し、出来高管理(進捗の見える化)、ダンプ手配・運搬管理、仮置き土の残量管理、土量バランスの崩れ検知に用います。こうした土量把握は、資材・人員手配の判断材料となり、工程の遅れの早期発見や迅速な調整判断にもつながります。
計画と実績に差分が生じた場合は、発注者との協議や、追加費用・工程変更の根拠として、土量データが必要です。実運搬量と計画量の差異を比較し、原価管理や契約出来高の算定も行います。
【施工後】出来形検査・提出資料の作成
施工後も、出来形検査や支払い・精算に向けて土量計算が必要になる場面があります。
出来形が設計寸法の基準を満たしていない場合は、施工前後の地形を比較して切土・盛土の実施量(出来形数量)を算出し、出来形検査資料に記載して契約出来高の精算・支払いの根拠とします。
また、残土処分の際にも、実際の搬出量の証跡が必要となるため、土量計算を行います。土量データを分析し、計画土量と実績土量の差を次の工事の見積精度や施工計画の改善につなげることも重要です。
【災害時】被災状況の把握・復旧計画の策定
災害時にも、被災状況の把握や復旧計画の策定のために土量計算を行います。
地震や豪雨による土砂崩れが発生した際、崩落土砂や堆積土砂の量を推定し、復旧に必要な盛土量や撤去すべき土砂量を把握します。計算結果は、復旧工事の計画策定や災害査定資料の作成に用いられます。
災害時は特に迅速な対応が求められるため、ドローンを用いた3次元測量で点群データを取得し、災害発生前の地形データと比較して土量計算する方法がおすすめです。危険な現場に立ち入ることなく遠隔から状況を把握できるため、二次災害のリスクを低減できます。
点群処理ソフトを活用して、土量計算を効率化しませんか?
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土量計算の4つの方法
ここからは、具体的な土量計算の方法について解説します。
土木・建設分野で一般的に用いられる代表的な4つの方法は、以下のとおりです。

4つの方法はいずれも国土交通省の土木工事数量算出要領で認められており、このうち平均断面法は従来から用いられてきた方法です。近年はi-Constructionの推進に伴い、点群などの3次元データを活用した計算方法(点高法・TIN法・プリズモイダル法)への移行が進みつつあります。
点群処理ソフトによって計算方法が異なるため、あらかじめ発注者の要件を確認しておきましょう。
平均断面法
平均断面法は、一定間隔で断面図を作成し、隣接する2つの断面積の平均に距離をかけて体積を算出する方法です。
計算方法がシンプルなため、特別なソフトを用いなくても算出でき、長年にわたり現場で広く採用されてきました。手計算やエクセルでの計算が一般的で、現場で迅速におおまかな土量を把握したいときに役立ちます。
ただし、測量箇所が限定されるため、断面間に起伏や凹凸があると誤差が生じやすく、精度が低下する点が課題です。測点を増やせば、ある程度は精度を向上させられるものの、その分計算も煩雑になり、手間がかかります。
点高法(メッシュ法)
点高法は、地表面を等間隔の四角い格子状(メッシュ)に区切り、「各マスの面積 × 高さ」を合計して体積を算出する方法です。メッシュ法、グリッド法とも呼ばれます。
高さは現況面と設計面の差分を用いますが、マス四隅の標高差を平均する「4点平均法」と、マス中央の1点で標高差を出す「1点法」があります。
計算がシンプルで検算しやすく、現代の土量計算では標準的な方法となっています。多くの点群処理ソフトで対応しているため、導入のハードルが低い点もメリットです。
TIN法(三角網法)
TIN法は、点群データを不整三角網(TIN:不規則な三角形の網)で結び、各三角形と標高基準面との間の体積を合計して算出する方法です。TIN分割法・三角網法・不整三角網法など、さまざまな呼び方があります。
標高基準面とは、体積計算の高さの基準となる水平面で、各三角形と基準面との間は三角柱や三角錐となります。
点高法のように等間隔で区切るのではなく、点群の配置に応じて柔軟に三角形を生成するため、地形の凹凸を細かく再現できるのが特徴です。そのため、複雑な地形や急傾斜地での計算に向いています。
プリズモイダル法
プリズモイダル法は、重なり合う2つの地形データ(上部サーフェス・下部サーフェス)から、2面間の体積を算出する方法です。例えば、盛土工事では施工前の地形と施工後の地形の差分を算出することで、実際の盛土量を把握できます。
計算手順は以下のとおりです。
- 重なり合う2つの地形データを、それぞれ不整三角網(TIN)で区切る
- 互いの三角形の頂点を、もう一方の面に投影し合う
- 2つのTINの辺が交差する位置に新しい辺を追加し、複合サーフェス(新しい三角形の網)を作成する
- 上面・下面の間を、複合サーフェスの区切りに沿って柱状に分ける
- 各柱の体積を算出し、それらの値を合計す
TIN法は「1つのTIN」と「基準面」との間の体積を算出するのに対して、プリズモイダル法では「2つのTIN」の間の体積を算出するという違いがあります。
計算が複雑で処理時間もかかりますが、最も正確に土量を算出できる方法とされています。施工前後の地形比較や出来形管理など、高精度な土量計算が必要な場合に用いられます。
従来の方法(平均断面法)の課題
これまで土量計算では平均断面法が広く使われてきました。しかし、近年はICT施工や3次元測量の普及により、高精度で効率的な数量算出が求められるようになっています。そのため、従来の方法では対応が難しい場面も見られるようになっているのが現状です。
続いては、従来の方法ではどのような問題があるのか、実務における具体的な3つの課題について解説します。
【従来の方法(平均断面法)の課題】
- 地形の凹凸を正確に反映できない
- 断面作成や手計算・エクセル作業に工数がかかる
- 危険箇所での測量は安全リスクが高い
地形の凹凸を正確に反映できない
平均断面法は測点が限られるため、断面間の大きな起伏や凹凸がある場合、計算上の土量と実際の土量にズレが生じやすくなります。
前述のとおり、平均断面法では一定間隔で断面を作成し、「2つの断面積の平均 × 2つの断面の距離」で体積を求めます。両端の2断面の平均値だけで体積を算出するため、断面と断面の間に存在する細かな凹凸や不整形な地形変化は計算に含まれません。
特に、山間部の道路や災害現場など、地形の変化が大きい場合には、測点間隔の設定によって算出結果に影響が出ることがあります。その結果、残土処分費の超過や材料不足といった施工計画や採算に影響を及ぼす可能性もあるのです。
断面作成や手計算・エクセル作業に工数がかかる
平均断面法で精密に土量を算出しようとすると、断面図の作成から数量計算、検算まで、多くの工数がかかります。区間を細かくして断面を増せば精度は向上しますが、その分だけ手間も増えます。プロジェクト規模が大きい場合は、計算作業が煩雑になりやすい点も課題です。また、設計変更や追加測量のたびに、断面を切り直して再計算する必要があります。
現場では、各区間の断面積や距離をエクセルに入力して体積を求める方法が一般的です。テンプレートを使えば計算作業は効率化できるものの、測量やデータ整理、入力作業の手間は残ります。
こうした手順の多さや作業の複雑さから属人化しやすく、担当者のスキルによって精度が左右されやすい点も課題です。
危険箇所での測量は安全リスクが高い
平均断面法では、断面積や断面間の距離を求めるために、現地で測量を行います。斜面崩落現場や急傾斜地、法面、河川に作業員が直接立ち入って計測する必要があり、危険を伴う作業です。実際に滑落や落石、河川への転落などによる労働災害も発生しています。
また、災害現場では、二次災害防止の観点から立ち入りが困難なケースも多くあります。一方で、一刻も早い状況把握が求められ、安全性と効率性の両立が課題です。

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土量計算に点群データを活用すべき理由
従来の平均断面法の課題を解決するために有効なのが、点群データを活用した土量計算です。
点群データとは、レーザー測量や写真測量によって地形や構造物を無数の点の集まりとして記録した3次元データを指します。
点群データを活用すれば、地形全体を漏れなく把握できます。そのため、平均断面法と比べると効率・精度が大きく向上するだけでなく、安全性を確保しやすい点もメリットです。
【土量計算に点群データを活用すべき理由】
- 複雑な地形でも高精度な計算ができる
- 現場測量や計算業務を効率化できる
- 離れた場所から安全に計測できる
- i-Constructionの要件に対応しやすくなる
複雑な地形でも高精度な計算ができる
点群データを活用すれば、起伏の激しい山間部や災害現場でも、精度の高い土量計算が可能です。点群データは数百万~数億個の点で地形をとらえるため、断面間を推測で埋める必要がなく、複雑な凹凸も精密に再現できます。
これにより、数量の精度向上につながり、見積や工期・資材計画の見通しが立てやすくなります。コスト超過や材料不足といったリスクの軽減が期待できます。
現場測量や計算業務を効率化できる
点群データは、ドローンや地上型レーザースキャナーを活用した測量によって取得でき、短時間で広範囲をカバーできるのが特徴です。点群データがあれば、複雑な断面図の作成や手計算を行うことなく、専用ソフト上で迅速に土量計算ができます。
また、取得済みの点群データを用いて、計算範囲や基準面などの条件を変更して再計算も可能です。設計変更や条件見直しが生じた場合でも、現地での再測量を行わずに対応できるため、工数削減につながります。
国土交通省の資料によると、これまで1~2人で数日かかっていた測量・土量算出作業が、1人で1日計測すれば最短で翌日午前には数量を把握できるようになったという事例(※)もあります。
効率化により工期短縮が可能になるほか、担当者の負荷が軽減し、より付加価値の高い業務に時間を充てられる点もメリットです。
※出典:国土交通省東北地方整備局ウェブサイト掲載「ICT土工における施工土量管理について」(西松建設株式会社)
離れた場所から安全に計測できる
点群データは、ドローンや地上型レーザースキャナを用いて、遠隔から取得できます。崩落の危険がある崖下や急傾斜地、災害直後の現場など、人が直接立ち入れない危険エリアでも、離れた場所から非接触の作業のみで土量を把握できます。そのため、作業員が危険な場所へ立ち入る必要がなく、現場全体の安全性が向上します。
災害現場でも、二次災害のリスクを抑えながら被害状況をタイムリーに把握でき、迅速な対応判断が可能です。
i-Constructionの要件に対応しやすくなる
国が推進するi-Constructionでは、点群データを活用した出来形管理や土量管理など、ICT施工が標準化されつつあります。国土交通省の資料によると、都道府県・政令市におけるICT施工の公告件数は、2016年度の84件から2022年度には13,000件超へと増加しており、着実に普及してきています(※)。
点群データによる土量計算に対応しておくことで、ICT活用を前提とした発注案件にも対応しやすくなり、公共工事の受注機会の拡大につながるでしょう。
※出典:「i-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化~」(国土交通省)
なお、点群データの基礎や活用方法は、以下の記事で詳しく解説しています。土量計算での点群データ活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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点群データによる土量計算(体積計算)の流れ
点群データによる土量計算には、現況点群と基準面から体積を求める方法や、現況点群と3次元設計データの差分から盛土量・切土量を求める方法など、いくつかのパターンがあります。目的や使用場面に応じて、最適な計算方法を選択することが大切です。
ここでは、現況の点群データと基準面から体積を求める一般的な流れを解説します。
【土量計算の流れ】
- Step 1. 点群データの取得・取り込み
- Step 2. 点群データの前処理
- Step 3. 計算の範囲・計算方法の設定
- Step 4. 計算の実行
Step 1. 点群データの取得・取り込み
まずは3次元測量で点群データを取得し、点群処理ソフトに取り込みます。3次元測量には、ドローンを用いた写真測量や地上型レーザースキャナといったさまざまな測量機材があります。現場の地形条件や求められる精度、コスト、作業可能な時間帯などを踏まえて適切な方法を選択しましょう。
インポートできるファイル形式はソフトによって異なるため、使用している点群取得の機材の出力形式をあらかじめ把握しておくと安心です。
Step 2. 点群データの前処理
次にノイズ除去やクラス分類(地表面抽出)を実施し、体積計算に不要な建物や樹木などの点群を除外します。地表面に欠損がある場合は、欠損補間やDTM/DSM生成で地形を補い、精度を高めることもできます。
点群データの前処理は、土量計算の精度を左右する非常に重要な工程です。AIを搭載した点群処理ソフトなら、高精度な前処理を自動で行えるため、作業時間を大幅に短縮できます。手作業での修正が少なくなるため、担当者のスキルに左右されずに安定的な品質を確保しやすくなるでしょう。
Step 3. 計算の範囲・計算方法の設定
土量を算出したいエリアを指定します。多くのソフトでは、点群上をクリックして多角形で囲むことで対象範囲を設定できます。続いて、TIN・最下点・最上点・平均点といった基準面を選び、計算方法(点高法・TIN法など)を決めます。
体積計算の方法のなかでも、点高法は精度と手間のバランスがよく、日本の公共工事でも広く用いられている代表的な方法です。点高法では、メッシュサイズの変更により、精度と処理速度を調整します。メッシュサイズが小さいほど精度は高まりますが処理時間が長くなるため、現場の要件に応じて適切な設定を行いましょう。
Step 4. 計算の実行
計算を実行すると土量が自動算出され、選択したエリアごとの面積や体積などを確認できます。
必要に応じて基準面や計算方法、メッシュサイズを調整して再計算することも可能です。平均断面法と異なり、設定を変更して何度でも短時間で再計算できるため、条件を変えたときの土量をすぐに比較・検討できます。
土量計算に最適な点群処理ソフト・アプリの選び方
点群データを使った土量計算では、使用するソフト・アプリによって前処理のしやすさや体積計算の精度が大きく変わります。
ここでは、ソフト・アプリの選定時に確認したい3つのポイントを解説します。
【土量計算に最適な点群処理ソフト・アプリの選び方】
- 高精度な体積計算が可能か?
- 点群データの前処理は効率的に行えるか?
- 導入・運用コストを抑えられるか?
高精度な体積計算が可能か?
体積計算の精度は、前処理の精度に左右されます。不要な建物や樹木などの点群が残っていると、算出した土量と実際の土量に誤差が生じてしまい、工程管理や資材手配、原価管理に影響を及ぼします。
そのため、点群処理ソフトを選ぶ際には、まずノイズ除去やクラス分類といった基本的な前処理の精度を確認しましょう。欠損補間や地形モデル(DTM/DSM)の生成など、精度向上をサポートする機能があると、より安心です。特に、高精度なAI技術を搭載したソフトなら、安定した精度を確保しやすくなります。
点群データの前処理は効率的に行えるか?
前処理を手作業で行うと、多くの時間と手間がかかるため、高精度なAI自動化機能を搭載したソフトの選定がおすすめです。作業時間を短縮できれば、納期の短縮や案件対応力の向上にもつながります。
注意したいのは、たとえ自動化機能が備わっていても、精度が低ければ手直しが必要となり、かえって効率が低下しかねないということです。ソフトを選ぶ際は、単に「自動化できるか」だけではなく「どの程度の精度で自動化できるか」を確認しましょう。精度と効率の両方を満たせるかどうかが、実務では重要なポイントといえます。
実際に、北海道の建設コンサルタント、大日本ダイヤコンサルタント株式会社では、AIによる高精度な自動クラス分類が可能な点群処理ソフトScanXを導入したことで、「点群データをソフトに放り込めばもう終わり」「2〜3日かかっていた作業が数百倍効率化した」と感じるほど、ノイズ除去や体積計測の工数削減を実現しました。
▶詳しくは「大日本ダイヤコンサルタント株式会社の導入事例」をご覧ください。
導入・運用コストを抑えられるか?
高精度な点群処理ソフトを導入しようとすると、コストがネックになることもあります。特に、従来の買い切り型ソフトは初期費用が数百万円と高額で、高性能なパソコンも必要です。
一方で、月額制のクラウド型点群処理ソフトであれば、初期費用ゼロで月額数万円から利用でき、高性能パソコンも不要です。複数人・複数案件での同時利用も可能で、土量計算業務の効率化につながるでしょう。コストを抑えて高精度・効率的な土量計算を実現するには、クラウド型点群処理ソフトがおすすめです。
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おすすめの点群処理ソフトについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
土量計算の効率化なら、点群処理ソフトScanXがおすすめ
土量計算を効率化したい方には、点群処理ソフトのScanXがおすすめです。AIによる自動クラス分類が強みで、コストを抑えつつ、初心者でも高精度な土量計算を簡単に実現できます。
ここでは、点群処理ソフトScanXをおすすめする理由について詳しく解説します。
【点群処理ソフトScanX がおすすめな理由】
- AIによる高精度な自動クラス分類が可能
- 初期費用ゼロ、高性能パソコン不要で導入費用が抑えられる
- 分かりやすいUIで、初心者でも簡単に土量計算できる
- NETIS推奨技術・i-Construction大賞受賞で信頼できる
AIによる高精度な自動クラス分類が可能
ScanXには、AIによる自動クラス分類機能があり、業界トップクラスの精度を誇ります(自社調べ)。点群データをScanXにアップロードするだけで、独自のアルゴリズムにより自動で6種類のクラスに仕分けられます。
特に地表面のクラス分類の精度が高く、約95%の精度で自動仕分けが可能です。仕分け作業の時間を約5分の1に短縮でき、効率的に前処理を完了できます。
前処理の精度が向上することで、土量計算の精度向上にもつながります。作業負担の軽減と品質の安定化を両立できる点が大きな魅力の一つといえるでしょう。
初期費用ゼロ、高性能パソコン不要で導入費用が抑えられる
ScanXは、初期費用0円で、月額29,800円(税込)から利用できるクラウド型の点群処理ソフトです。Webブラウザ上で動作するため、高性能なパソコンを用意する必要はありません。
また、複数の現場や担当者で同時に作業できるため、案件ごとに高価なライセンスを追加購入する必要がない点も特徴です。
従来のオンプレミス型ソフトに比べて導入・運用コストを抑えられるため、中小規模の建設会社でも導入しやすい料金体系です。
分かりやすいUIで、初心者でも簡単に土量計算できる
ScanXは、不要な機能やボタンを省いたシンプルな画面が特徴で、点群処理はわずか4ステップで設定完了します。
初心者でも直感的に操作でき、専門知識がなくても短期間で習得できるため教育コストを抑えられます。点群処理の属人化を防ぎ、新人でもベテランに近い品質で土量計算を実施しやすい点がメリットです。
NETIS推奨技術・i-Construction大賞受賞で信頼できる
ScanXは、令和3年度に「i-Construction大賞」国土交通大臣賞を受賞しており、i-Constructionで採用されている土量計算の方法「点高法」にも対応しています。
令和6年度には国土交通省NETIS推奨技術に認定されたため、総合評価方式の入札でScanXの活用を提案すると、加点の対象になります。
こうした実績や認定を踏まえると、公共工事での土量計算にも安心して活用できます。
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点群データで土量計算の精度と効率を高めよう
点群データを用いた土量計算は、従来の平均断面法と比べると、詳細な地形把握が可能となり、精度と効率が大きく向上します。見積精度の向上や、出来高のスムーズな把握など、現場にとって多くのメリットがあります。
こうした土量計算では、前処理の質が結果を左右するため、点群処理ソフトを活用して効率的かつ高精度な前処理を行うのがおすすめです。i-Constructionが進むなか、点群データの活用は土木・建設現場の競争力を高める重要な要素となっています。自社の業務内容や体制に合った点群処理ソフトを選び、土量計算の精度と効率を高めていきましょう。
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