
林地台帳は、森林の土地に関する所有者や境界、面積などの情報が記載されている台帳です。
2019年4月から本格的に運用が始まりましたが、実際の現場では運用面におけるさまざまな課題も指摘されています。
そのため、
「そもそも林地台帳と森林簿の違いがよく分からない」
「林地台帳がどのように活用されているのか知りたい」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、林地台帳の概要や森林簿との違い、運用上の課題、森林DXによる解決策などをわかりやすく解説します。
林地台帳の基本を理解したい方や、実際の運用に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
林地台帳とは
林地台帳とは、森林の土地に関する所有者や境界、面積などの情報を整理・管理するための台帳です。
林地台帳が整備される以前は、森林所有者の所在が不明な森林や境界が不明確な森林が多く、所有者の特定に多大な時間とコストがかかっていました。
こうした背景を踏まえ、平成28年(2016年)の森林法改正で創設されたのが林地台帳です。
林地台帳は、森林所有者等に対する指導・監督を担う市町村が主体となって作成・管理しています。
2019年4月から本格的に運用が開始され、現在では適切な森林管理を進めるための基礎情報として活用されているのです。
林地台帳の目的
林地台帳の主な目的は、森林施業の集約化を推進し、持続可能な森林管理を実現することです。
林地台帳の情報を活用すれば、森林整備を担う森林組合や林業事業体が所有者や境界を確認しやすくなります。その結果、森林施業を計画的に進めることが可能です。
また、林地台帳の整備により、以下の効果も期待されています。
- 森林の集約化が進むことで間伐作業を実施しやすくなり、森林の健全化につながる
- 森林施業が円滑に進むことで、地域材を安定的に供給できるようになり、木材利用産業の活性化や地方創生につながる
- 所有者や境界が明確になることで、伐採・造林に関する指導監督や、災害復旧事業、公共事業などを円滑に実施できる
林地台帳は、森林施業の効率化だけでなく、地域経済や公共施策を支える土台となる情報として活用されています。
林地台帳に記載する主な情報
林地台帳には、森林の土地に関するさまざまな情報が記載されています。
主な記載情報は以下の通りです。
- 森林内にある土地の所在や地番、地目、面積といった基本的な土地情報
- 森林内にある土地を所有している人の氏名や土地の名称、住所などの所有者情報
- 森林内にある土地の境界に関する測量の実施状況
- 森林経営計画の認定有無やその内容に関する情報
これらの情報活用によって、森林の所有関係や境界を容易に把握しやすくなり、森林施業の計画立案や集約化も円滑に進めることが可能です。
森林簿との違い
森林簿とは、森林を小班(森林の状態に応じて区分された区画)ごとに森林資源情報(樹種や樹高など)を整理した台帳を指します。
空中写真や現地調査の結果を参考に作成しており、森林の現況を把握するための基礎資料として活用されています。
ただし、森林簿には地番や所有者など土地に関する情報は記載されていません。
土地情報を整理・管理する役割を担っているのが林地台帳です。
森林資源には森林簿の詳細な情報がまとめられており、森林の現況把握や施業計画の検討、森林の売買・相続など、幅広い用途で活用されています。
森林の資源情報は森林簿、土地情報は林地台帳というように、目的に応じて使い分けることが重要です。
林地台帳の運用でよくある課題
林地台帳は、森林の所有者や境界情報を一元管理できる点がメリットです。
一方で、実際の運用においてはいくつかの課題が懸念されています。
林地台帳の運用でよくある課題は、主に以下の3点です。
林地台帳の運用でよくある課題
- 境界情報の不明確さ
- 記載されている情報の老朽化
- 更新作業の遅延
境界情報の不明確さ
林地台帳の運用において、特に課題となっているのが、境界情報が不明確で、現地での特定が難しい点です。
平成27年(2015年)に農林水産省が実施した「森林資源の循環利用に関する意識・意向調査」によると、林業者690 経営体に対して「境界の明確化が進まない理由」を尋ねたところ、以下の回答結果が出ています。
| 理由 | 回答割合 |
|---|---|
| 境界を隣接する所有者がわからないから | 26.8% |
| P境界を隣接する所有者の協力が得られないから | 11.9% |
| 境界を明確化するのに費用がかかるから | 27.2% |
| 境界を明確化する方法がわからないから | 12.0% |
「令和2年度 食料・農林水産業・農山漁村に関する意識・意向調査森林資源の循環利用に関する意識・意向調査結果」(農林水産省)をもとにローカスブルー株式会社作成
「境界を明確化するのに費用がかかるから」「境界を隣接する所有者がわからない」という理由が回答者の50%を超えており、境界確認が現場の大きな負担となっていることが伺えます。
境界情報の不明確さは、森林施業の計画立案・実施が円滑に進まない要因の一つといえるでしょう。
記載されている情報の老朽化
林地台帳に記載されている情報には、古い図面や過去の台帳を参考に作成されたものが残っており、現況と一致しないケースがあります。
また、相続未登記の土地や所有者不明森林の増加により、所有者情報の精度を維持することが難しくなっている点も課題です。
このように情報の老朽化が進むと、森林施業の計画立案や関係者への連絡に支障をきたす恐れがあります。
現地状況と一致しない場合には、追加調査や確認作業が必要となり、業務負担が増大する原因にもなるでしょう。
結果として、林地台帳を活用した効率的な森林管理が進みにくくなるため注意が必要です。
更新作業の遅延
林地台帳の運用においては、情報の更新作業が遅れやすい点が課題となっています。
林地台帳は作成後も、登記簿や公図の変更、地籍調査結の結果、所有者からの申出などを反映し、継続的に更新していく必要があります。
しかし、人的リソースが不足している市町村では、更新作業を手作業で対応しているケースも多く、更新が追いつかない状況が発生しています。
その結果、最新の情報が台帳に反映されず、現地調査や施業計画の精度が低下する恐れがあります。
また、更新が滞ることで、関係者間で参照する情報に差異が生じ、認識のずれや確認作業の増加につながる点も課題です。
更新作業が特定の担当者に依存すると、異動や退職をきっかけに業務が停滞するリスクも高まります。
更新作業の遅延は、林地台帳の信頼性を低下させ、効率的な森林管理を妨げる原因となるため注意が必要です。
森林DXによる解決策
森林DXとは、デジタル技術を活用し、持続可能な森林管理を実現する取り組みを指します。
森林DXを推進することで、林地台帳の運用におけるさまざまな課題の解消が期待されています。
ここでは、林地台帳の改題解決につながる森林DXの具体的な取り組みを見ていきましょう。
森林DXによる解決策
- 森林情報のオープンデータ化
- 森林クラウド
- スマート林業
森林情報のオープンデータ化
従来、森林情報は都道府県内の行政機関や森林・林業事業者など、限られた関係者の間で共有されてきました。
一方で近年では、広域的な木材流通の進展や、カーボンニュートラルへの関心の高まりといった国際的な動向を背景に、森林に関心を持つ企業が多く見られます。
こうした背景から、より多くの主体に森林情報を活用してもらうために森林情報のオープンデータ化が進められています。
行政や森林組合に加え、民間企業や研究機関なども森林情報を活用しやすくなり、森林情報の高度化や新たなビジネス・取り組みの創出も期待できます。
森林情報を最新の状態で共有しやすくなることは、林地台帳における情報の不明確さや老朽化といった課題の解決にもつながるのです。
森林クラウド
森林クラウドとは、自治体や森林組合などが保有する多様な森林情報をクラウド上のサーバーに集約・共有する仕組みです。
林野庁は、森林クラウドのベースとなる標準仕様書を策定しており、自治体に対して森林クラウドの導入を推進しています。
森林情報をクラウド上で管理すれば、林地台帳や森林簿、地籍情報といった複数のデータを一元的に扱うことが可能です。
その結果、情報の更新や関係者間での共有が効率化され、林地台帳の課題とされてきた更新作業の遅れを改善しやすくなります。
最新の情報を関係者間で常に共有できるようになるため、現地調査や施業計画の精度向上にもつながるでしょう。
スマート林業
スマート林業とは、ロボットやICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)などの技術を活用し、森林管理や林業を高度化・効率化する取り組みです。
スマート林業を推進することで、現地調査の省力化や森林資源量の把握、伐採計画の高度化などを実現できます。
林野庁は全国12地域でスマート林業モデルの実証を行い、各地で最新技術を活用した森林管理の効率化・省力化に取り組んできました。
各地域では、森林情報の高度化・共有化や、原木の生産・流通の効率化などのテーマに技術実証を実施し、その成果を全国に展開しています。
林地台帳の課題解決で役立つ「ScanX」の機能

ScanXは、クラウド上で点群データを一元管理できる点群処理ソフトです。
建設業界や森林管理など、さまざまな業界で活用されており、林地台帳の運用における課題解決にも役立ちます。
ここでは、林地台帳の課題解決で役立つScanXの機能を3つ紹介します。
1.樹木解析機能
ScanXでは、森林の点群データをブラウザ上からアップロードし、樹木解析ボタンをクリックするだけで、樹木を1本ずつ自動抽出できます。
樹木の本数に加えて、樹木ごとの位置情報や樹高、樹冠面積などを抽出でき、最新の森林現況データを可視化することが可能です。
抽出された解析結果は、CSV形式や画像形式(jpg)などでダウンロードでき、森林調査の報告書や各種資料の作成にも活用できます。
樹木解析機能を利用すれば、現地踏査や目視計測の負担を大幅に抑えられます。
樹木の分布や状態を客観的に把握できるため、林地台帳の運用における境界確認や現状把握の解決にもつながるでしょう。
2.点群の自動分類
ScanXには、AIが自動で解析・クラス分類を行う機能も搭載されています。
点群データを地表面や樹木、ノイズ、建物などに分類できるため、森林の現況を効率的に把握できます。
手作業での分類作業が不要になることで作業時間を大幅に削減でき、利用者は解析や計画立案といった本来注力すべき業務に集中できるようになります。
地形情報や植生情報を短時間で確認できるため、境界確認や現場踏査の効率化にもつながるでしょう。
さらに、定期的に点群データを取得・分類することで、森林の変化を継続的に把握しやすくなるのもメリットです。
最新の情報を反映したデータを維持しやすくなるため、林地台帳における情報の老朽化を防ぐ手段としても役立ちます。
3.データ共有・分析
ScanXでは、共有用のURLをすぐに発行し、ブラウザ上からそのまま点群データの閲覧が可能です。
専用ソフトや高性能なパソコンを必要とせず、タブレットやスマートフォンからも点群データを確認できるため、情報共有が行やすくなります。
クラウド上で点群データの一元的に管理・共有・分析できる点も特徴です。
自治体や森林組合、関係事業者間が同じデータを参照できるため、連携を取りながら業務を進めやすくなるでしょう。
情報の確認や共有にかかる手間が増えることで、更新作業をスムーズに進めやすくなり、林地台帳の課題である「更新作業の遅延」の軽減にもつながります。
同一の点群データを関係者全員が参照できる環境が整えば、認識のズレや確認作業の手戻りも防ぎやすくなる点もメリットです。
【事例】ScanXを活用して森林調査の工数を10分の1に!
ここでは、ScanXを活用して森林調査の工数を10分の1に削減した事例を紹介します。
北海道釧路市を拠点に森林整備や木材生産を手がける株式会社大澤木材は、スマート林業の推進に積極的に取り組んでいる企業です。
従来の森林資源調査では、プロット(調査区)を設定し、各プロット内の木の本数を計測して全体を推定する方法が一般的でした。
しかし、この方法は実態との乖離が大きく、調査精度の低さが課題となっていたのです。
そこで同社はScanXの樹木解析機能を活用した、新たな業務フローへ移行しました。
ドローンで取得した点群データをもとに、針葉樹を対象として樹木1本ごとの位置や樹高などを自動で抽出し、本数や材積を推定できる体制を構築したのです。
その結果、従来は20ヘクタールの毎木調査に延べ11人日を要していた作業が、ドローン測量とScanXを併用することで、わずか1人日で完了するようになりました。
この取り組みにより、森林調査に必要な工数は10分の1以下に削減され、作業負担やコストの大幅な軽減を実現しています。
本事例の詳細は、以下の記事をご覧ください。
樹木解析で工数を10分の1に。森林調査の精度を上げるScanXの使い方。
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ScanXを導入して林地台帳の更新・管理を効率化しよう
林地台帳の運用では、境界情報の不明確さや情報の老朽化、更新作業の遅延といった課題が指摘されています。
ScanXを活用すれば、こうした課題を解決し、林地台帳の更新・管理業務の効率化につながります。
初期費用ゼロ・月額29,800円からサポート費用込みで導入でき、月額49,800円のプロプランでは樹木解析の機能が利用可能です。
森林現況を客観的かつ迅速に可視化し、森林資源量の把握や境界付近の地形確認など、従来は時間と労力がかかっていた作業を省力的に進められるようになります。
また、クラウド型の点群処理ソフトであるため、高精度なパソコンを用意する必要がありません。
直感的なUI/UXを採用しており、インターネット環境さえあれば複数人で同時に作業することも可能です。林地台帳の精度向上・更新作業の効率化を進めたい方は、お気軽にご相談ください。
