
点群データのDTM生成・DSM生成とは、ドローン測量やレーザー計測で取得した点群データから、地形や地表面の高さを数値化した標高データを作成する技術です。土木・建設をはじめ、林業・森林解析、防災・災害対応といった、さまざまな分野で活用されています。
しかし、点群データからDTM・DSMを生成したくても、
「DTMとDSMの違いがよくわからない」
「生成手順や実務での使い方を知りたい」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、点群データからDTM・DSMを生成する基礎知識から、生成の流れ、よくある課題と解決策までを解説します。両者を正しく使い分け、点群データの処理業務を効率化するための実践的な知識が身につく内容です。
なお、クラウド型点群処理ソフトScanXを活用すれば、DTMやDSMの生成作業をAIで自動化・効率化できます。本文内でもScanXについて詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

【監修者】宮谷 聡
ローカスブルー株式会社 代表取締役社長
Airbus社にてエンジニアとして勤務したのち、シリコンバレーのAirware社、イスラエルのAirobotics社で製品開発や技術営業、海外拠点立ち上げを担当。2019年にスキャン・エックス株式会社(現 ローカスブルー株式会社)を創業し、建設業界向けの点群処理ソフト「ScanX」を提供。
ScanXなら、DTM・DSM生成も効率化が可能
クラウド型点群処理ソフトScanXは、点群データの自動クラス分類により、DSM生成からDTM生成までの工程を効率化します。
- 地表面・建物・植生をAIが自動分類し、DTM/DSMを効率的に生成
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目次
点群データのDTM生成・DSM生成とは
点群データのDTM生成・DSM生成とは、取得した点群情報から地形や地表面の高さを数値化し、標高モデルを作成する技術です。
点群データは、空間内に存在する無数の点で構成された3次元データを指します。各点には位置情報が含まれ、色情報(R, G, B)を付与することで、視覚的に把握しやすい3Dモデルを作成可能です。
点群データをもとに生成される標高モデルが、DTM(Digital Terrain Model)とDSM(Digital Surface Model)です。土木・建設、防災、林業、防災など幅広い分野で活用され、地形解析や土量計算、災害予測モデルの作成に役立てられています。
点群データのDTM生成とDSM生成の違い
点群データから生成されるDTMとDSMは、いずれも地形や地表面の高さを数値化した標高モデルです。しかし、表現する対象や生成方法、活用目的には違いがあります。
以下では、DTMとDSMの違いを整理し、それぞれの特徴や使い分けのポイントを解説します。

モデル化される対象の違い
DTMとDSMは、いずれも標高を数値化したモデルですが、対象とする範囲が異なります。
DSM(Digital Surface Model)は、地盤の高さに加え、建物や樹木、構造物など地表面上に存在する要素を含めてモデル化します。建物や樹木なども含めた、見たままの起伏モデルを生成できるため、現況を包括的に把握するのに適しています。
一方、DTM(Digital Terrain Model)は、建物や植生といった上部構造物を除去し、地形の高さのみを抽出したモデルです。地盤の起伏や勾配を正確に把握できることから、土木工事の盛土・切土計算や農業の基礎データとして活用されています。
なお、よく似た用語にDEM(Digital Elevation Model)があります。DEMは数値標高データ全体を指す総称として使われることが多く、なかでも地表面のみの標高を明確に区別する場合にDTMという用語が用いられます。
国土地理院では「基盤地図情報(数値標高モデル)」としてDEMデータを公開しており、無料でダウンロードが可能です。
生成に必要な点群処理の違い
DTMとDSMでは、生成に必要な点群処理の内容が異なります。
DSMは、建物や樹木、構造物など地表面上の要素を含んだ点群データをそのまま利用して生成されます。基本的なノイズ除去や位置合わせを行ったうえで、標高モデルへと変換します。
一方、DTMを生成する際には、点群データに対するフィルタリング処理が欠かせません。建物や植生と判定された点を除外し、地盤を示す点群のみを抽出します。
つまり、DSMは点群データ全体をもとに標高モデルを作成します。対して、DTMは不要な地表物を除去し、地形のみを抽出して生成する点が大きな違いです。
活用する目的の違い
DSMとDTMは、モデル化の対象や生成プロセスが異なるため、活用目的にも違いがあります。
DSMは、建物や樹木を含めた地表面全体の高さ関係を把握できるモデルです。上空の障害物確認や都市空間の形状把握、災害時の被害想定などに適しています。
一方、DTMは上部構造物を除いた地盤形状のみを対象とします。盛土や切土の土量計算や農業といった地盤の情報を必要とする業務で活用されます。
DTMとDSMの違いを理解し、業務内容に応じて適切なモデルを選択することが重要です。
点群データからDTM・DSMを生成する流れ
点群データを活用してDTMやDSMを生成するには、複数の処理を段階的に進める必要があります。
次に、実務で一般的に行われている手順をもとに、点群データを起点としたDTM・DSM生成の流れを解説します。
【点群データからDTM・DSMを生成する流れ】
- 点群データの取得
- 点群データの前処理
- 建物や樹木を含むDSMデータの生成
- フィルタリングによるDTMデータの生成
1.点群データの取得
DTMやDSMを生成するには、まず航空機やドローンを用いた測量によって地表を計測し、ベースとなる点群データを取得します。
航空レーザー測量では、上空から照射したレーザーの反射情報をもとに、地表や構造物の位置を高密度に記録します。広範囲を短時間で把握できるため、森林や山間部のように人が立ち入りにくい場所の測量に適しています。
一方、ドローンを用いた写真測量でも点群データの取得が可能です。上空から多数の画像を撮影し、解析することで点群を生成します。航空レーザー測量と比べて機材費や運用コストを抑えやすい点が特徴です。
取得した点群データは、DSM生成やDTM生成の基礎データとして活用されます。
2.点群データの前処理
点群データを活用するには、専用の点群処理ソフトを用いて前処理を行い、解析やモデル生成に適した状態へ整える必要があります。
まず行うのが「位置合わせ(レジストレーション)」です。複数回の計測によって視点ごとに生成された別々の点群を、共通部分を基準に位置調整し、同一の空間上へ統合します。
次に、「ノイズ除去」を実施します。計測時には車両や人物、反射による誤点(ノイズ)が含まれることがあるため、不要な点を削除し、データの精度を高めます。
前処理には一定の工数がかかりますが、適切に実施することで、DTM・DSM生成の品質向上につながります。
DTM・DSM生成の精度を左右する「位置合わせ」や「ノイズ除去」についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。それぞれの処理の具体的な方法や、作業を効率化するポイントを詳しく解説しています。
3.建物や樹木を含むDSMデータの生成
前処理を終えた点群データを用いて、まずDSMを生成します。
DSMは、地表面に存在する建物や樹木のような構造物を含めた標高モデルです。点群データ全体の高さ情報をもとに、標高モデルへ変換することで生成できます。
DSM生成の段階で、点群データの「クラス分類」を実施する場合もあります。地表面・建物・構造物・樹木などに分類すれば、後続の解析や成果物作成を効率的に進められます。
4.フィルタリングによるDTMデータの生成
DTMデータは、DSMや点群データから建物や樹木を除外し、地表面のみの高さ情報を抽出して生成します。
前段階で紹介したクラス分類をもとに、地表を示す点だけを選別します。建物や植生、構造物に分類された点を取り除き、地盤を構成する点群のみを残すことで、本来の地形の起伏が明確になります。
地盤のみを抽出する作業は一般に「フィルタリング」と呼ばれ、DTMの精度を大きく左右する重要な工程です。
なお、点群データの取得から前処理、DSM・DTM生成までを効率的に進めるには、専用ソフトの活用が必要です。クラウド型点群処理ソフトScanXであれば、前処理やクラス分類、DTM・DSM生成までを一貫して効率化できます。
AIによる自動クラス分類機能により、地表点の抽出やフィルタリング作業の負担を大幅に軽減できます。さらに、大容量の点群データもクラウド上で処理・共有できるため、高性能なパソコンも必要ありません。
【分野別】生成したDTM・DSMの主な活用事例
DTMとDSMは対象や用途が異なるため、分野ごとに求められる情報も変わります。
次は、土木・建設、林業・森林解析、防災・災害対応を例に、それぞれの分野でどのように活用されているのかを紹介します。
【生成したDTM・DSMの主な活用事例】
- 土木・建設
- 林業・森林解析
- 防災・災害対応
土木・建設
土木・建設分野では、工事の初期段階から施工後の形状確認や進捗管理まで、DTM・DSMが幅広く活用されています。
工事の初期段階では、DTMを用いて地盤の高低差や勾配を把握します。広範囲の地形を短時間で確認できるため、事前調査の負担軽減につながります。
一方、DSMは建物や構造物を含めた地表の状態を確認する際に有効です。道路や敷地全体の形状把握、排水計画の検討では、構造物の位置や高さが雨水の流れに影響するため、DSMが重要な役割を果たします。
さらに、施工後の形状確認や進捗管理にもDTM・DSMは活用されています。施工前後のデータを比較すれば掘削や盛土の状況を立体的に把握でき、設計との差異を早期に確認することが可能です。
林業・森林解析
林業・森林解析の分野では、DSMとDTMを組み合わせることで、森林構造を広域かつ立体的に捉えられます。山間部や急傾斜地での地上調査は困難かつ危険なため、効率と安全性を両立できるDSM・DTMが重宝されています。
DSMを活用すると、樹冠や樹木上部の高さ情報を含めて森林状態の確認が可能です。樹高分布の分析や樹冠位置の抽出にも利用され、森林の密度や成長状況を面的に評価できます。
一方、DTMは植生を除去した地形形状を表すモデルです。斜面勾配や地形の起伏を把握できるため、山地災害の対応に役立ちます。
近年はAI解析と組み合わせることで、樹木本数の自動カウントや森林資源量の推定も進んでいます。
防災・災害対応
防災・災害対応の分野では、DTMとDSMを活用して地形や地表環境を把握することで、被害予測や初動判断の精度向上につながります。
DSMは、建物や樹木を含めた地表面の高さを表現できるため、浸水範囲や水が滞留しやすい箇所の特定に適しています。大雨時には高低差が水流や冠水範囲に影響するため、広域的な状況を確認する際にも役立ちます。
一方、DTMは地盤形状のみを抽出したモデルです。地すべりや斜面崩壊のリスク評価に活用され、地形勾配を分析することで、土砂移動の方向や影響範囲を推定できます。
さらに、災害前後のDTMを比較すれば、地形の変化の把握も可能です。

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点群データのDTM生成・DSM生成でよくある課題
DTMやDSMは多くの分野で活用されています。一方で、点群データは情報量が膨大で処理工程も複雑なため、作業負担やコスト面で課題に直面するケースも少なくありません。
ここでは、DTM生成・DSM生成の現場でよく挙げられる代表的な課題を整理します。
【点群データのDTM生成・DSM生成でよくある課題】
- 作業負担が大きくなりやすい
- ソフトや設備にコストがかかる
- データ容量が大きく共有・保管が難しい
作業負担が大きくなりやすい
点群データからDTM・DSMを生成する工程には、専門的な知識や技術が求められるため、作業負担が増えやすい傾向があります。
膨大な点群データを専用ソフトで処理するには、位置合わせやノイズ除去、クラス分類などの工程を適切に進めなければなりません。前処理では、測量や点群解析に関する知識が重要になります。
経験の浅い担当者の場合、処理手順の判断に時間がかかることもあり、作業が属人化する可能性もあります。結果として、人材育成やトレーニングにかかるコストも考慮する必要があるのです。
ソフトや設備にコストがかかる
点群データを用いたDTM生成・DSM生成では、専用ソフトや機材の導入に一定のコストがかかる場合があります。
点群を取得するためには、レーザースキャナーやドローンといった機材が必要です。実務レベルの精度を確保するためには、高性能な機種の選定が求められます。
さらに、点群処理に対応した専用ソフトや、大容量データを快適に扱える高性能なパソコンも欠かせません。ソフトを使用するには導入時の費用だけでなく、アップデートや保守に関する継続的なコストが発生する場合もあります。
データ容量が大きく共有・保管が難しい
点群データは、計測範囲や取得密度によって点の数が膨大になるため、ファイル容量が大きくなりやすいという特徴を持っています。そのため、パソコンへの処理負荷がかかり、操作が重くなるケースも珍しくありません。
また、データ共有にも課題があります。メールや一般的なファイル共有サービスでは送受信が難しく、大容量データに対応した共有環境の構築が必要です。
さらに、大容量データを継続的に保管するには、十分なストレージの確保が求められます。
DTM生成・DSM生成の課題を解決する「ScanX」の特徴
DTM生成・DSM生成の作業負担やコスト、データ管理の課題に対する有効な解決策が、クラウド型点群処理ソフトScanXです。ScanXを活用すれば、点群データをアップロードするだけで、AIによる自動処理によってDTMやDSMの生成を効率的に進められます。
ここからは、ScanXの具体的な特徴を紹介します。
【DTM生成・DSM生成の課題を解決する「ScanX」の特徴】
- AIによる高精度な自動クラス分類機能
- 高額な専用ソフトや高性能パソコンが不要
- データをクラウドで簡単に共有・管理できる
AIによる高精度な自動クラス分類機能

ScanXの特徴のひとつが、点群データをアップロードするだけでAIがクラス分類を行う機能です。従来は担当者が手作業で仕分けていた工程を自動化できるため、作業効率向上が期待できます。
自動クラス分類機能では、ノイズや地表面、植生、建物、構造物などをAIが判別します。地表面の分類精度は約95%と高く、仕分けにかかる時間を約5分の1に短縮可能です。
さらに、初回の分類結果をもとに再分類を行えるため、地表点をより正確に抽出できます。樹木を高さ別に整理することもでき、DTM生成時に不要な点を的確に除外できます。
高額な専用ソフトや高性能パソコンが不要

ScanXは、高額な専用ソフトのライセンス購入や高性能パソコンの導入を必要としない、クラウド型の点群処理ソフトです。点群処理ソフトのなかには、ライセンス費用が高額なものや高性能なパソコンが必要なケースが多く、導入のハードルが高い傾向があります。
一方、ScanXは初期費用不要の月額制サービスで、Webブラウザから利用できます。月額29,800円(税込)から始められ、専用ソフトのインストールも不要です。
さらに、ライセンス数に縛られず、複数人で同じデータを同時に扱える点も特徴です。設備投資を抑えながら、DTM・DSM生成を無理なく導入できます。
データをクラウドで簡単に共有・管理できる

ScanXは、クラウド上で点群データを共有・管理できる点も特徴です。大容量の点群データでも、関係者間でスムーズに共有できます。
共有用のURLを発行するだけでデータを共有できます。インターネット環境があれば、ブラウザ上で内容を確認できるため、タブレットやスマートフォンといったデバイスからも閲覧可能です。
現場での打ち合わせや提案時にも活用でき、大容量データの受け渡しに手間取ることなく、納品業務を円滑に進められます。
さらに、Proプランでは月300ギガバイトのストレージを利用できます。容量は毎月リセットされるため、1年間継続すれば合計3,600ギガバイト(約3.6テラバイト)相当のデータを扱うことが可能です。
点群データのDTM生成・DSM生成で業務の効率化を成功させよう
DTMとDSMは、どちらも点群データから生成される地形モデルですが、対象や生成プロセス、活用目的が異なります。
DSMは建物や樹木を含む地表面全体の高さを表現するモデルであり、DTMは建物や樹木といった地上構造物を除去し、地形のみを表したモデルです。
土木・建設、林業・森林解析、防災・災害対応など、分野ごとに求められる情報はさまざまです。そのため、目的に応じてDTMとDSMを適切に使い分けることが重要になります。
一方で、DTM・DSMの生成工程には、作業負担やコスト、データ管理などの課題が伴います。課題を解決するには、効率的なツールの活用が欠かせません。
クラウド型点群処理ソフトScanXなら、AIによる高精度な自動クラス分類機能を備えており、DTM・DSM生成の負担を軽減できます。
点群データの前処理から生成、共有までを効率化し、業務全体の生産性向上を支援します。大容量データもクラウド上で安全に管理でき、関係者とのスムーズな共有が可能です。
DTM・DSM生成の作業負担やコストを抑えながら業務効率を高めたい場合は、ScanXの活用をぜひご検討ください。
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