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公開日 : 2025.12.23
更新日 : 2026.04.22

【活用事例あり】点群データのフィルタリングとは?必要な理由と効率化する5つの方法

点群データ フィルタリング

点群データを実務で活用するためには、不要な点を整理し、扱いやすいデータへと整形する「フィルタリング」が欠かせません。

しかし、フィルタリングを進める際に、

「フィルタリングの手順がわからず、作業に時間がかかる」

「効率よくフィルタリングする方法がわからない」

と悩む方もいるのではないでしょうか。

本記事では、点群データのフィルタリングが必要な理由や効率化する5つの方法、活用事例を詳しく解説します。

【監修者】宮谷 聡

ローカスブルー株式会社 代表取締役社長

Airbus社にてエンジニアとして勤務したのち、シリコンバレーのAirware社、イスラエルのAirobotics社で製品開発や技術営業、海外拠点立ち上げを担当。2019年にスキャン・エックス株式会社(現 ローカスブルー株式会社)を創業し、建設業界向けの点群処理ソフト「ScanX」を提供。

点群データのフィルタリングとは

そもそも点群データとは、レーザースキャナーやカメラ付きドローンなどの点群取得の機材を用いて、建物や地形を無数の点の集合として記録したデジタルデータのことです。

「フィルタリング」というと、ノイズ除去を指すケースが一般的です。

しかし、実務(測量・設計・保全・森林管理など)では、ノイズ除去+目的に応じた地物の抽出(クラス分類)まで含んだ前処理工程を指すケースが多く見られます。

そのため本記事では、フィルタリングを「ノイズ除去+目的に応じた地物の抽出(クラス分類)」と定義して解説していきます

フィルタリングは、点群データの精度にも関係する重要な工程です。

点群データにフィルタリングが必要な4つの理由

続いて、点群データにフィルタリングが必要な理由について見ていきましょう。

点群データにフィルタリングが必要な4つの理由

  1. 精度を確保するため
  2. データ量を削減するため
  3. 目的別の必要データを抽出するため
  4. 比較・監視のため

1.精度を確保するため

測量・設計・保全・森林管理などの実務では、取得直後の点群データに計測誤差や浮遊物、移動体(人・車)といったノイズが含まれることが多くあります。

こうしたノイズを除去することで、データの精度を確保することが可能です。

例えば、取得時の車両や人の移動が点群に混入すると、対象物の形状を誤って抽出するケースが報告されています。

ノイズが残ったままでは、地形の起伏が正しく表現されなかったり、建物・構造物の輪郭が乱れたりするため、後続工程のモデル化や図面作成に影響が生じます。

そのため、実務において精度の高い解析や設計を実施するためには、ノイズ除去が欠かせない工程となっているのです。

2.データ量を削減するため

点群データは数百万~数億点にも及ぶことも多く、ファイル容量や処理負荷が大きくなりがちです。

ノイズをそのまま残しておくと、後続の位置合わせ(レジストレーション)や3Dモデリング、解析といった処理で負荷が増大します。

そのため、不要な点の除去や、点の密度を最適化するダウンサンプリングを行うことは、処理効率の向上やコスト削減の観点から極めて重要です。

データ量を適切に削減することで、点群処理ソフトの動作が安定し、解析や可視化もスムーズに進められるようになります。

軽量化されたデータであれば、クラウド環境での共有や複数拠点による共同作業も容易になるでしょう。

3.目的別の必要データを抽出するため

実務では「建物」「植生」「地表」「設備」など、用途に応じた地物を抽出・分類して扱うことが多くあります。

そのため、単にノイズを除去するだけでなく、目的に応じた地物を識別するクラス分類を行い、必要な情報だけを抽出することが重要です。

クラス分類を行うことで、設計・保全・森林管理など、業務ごとの目的に合わせたデータ活用が可能になります。

例えば、設計資料の作成では、既存構造物や地形を分類することで、詳細な3Dモデルや2D図面を作成できます。

改修設計時に現況図面が残っていなかったり、寸法が不明であったりする場合でも、点群データを元に正確な平面図・断面図を書き起こすことが可能です。

4.比較・監視のため

維持管理・保全・変状監視などの業務では、複数時点のデータを比較したり、定期的に観測データを取得したりするケースが多くあります。

その際には、計測環境の変化や機材の違い、取得条件のバラつきなどを前処理の段階で整理しておくことが重要です。

これらを整理せずに比較すると、実際の変状ではなく計測誤差による差分が生じてしまい、誤った判断につながる可能性があります。

また、同じ対象でも、時期によって点密度やノイズ量が異なることがあります。

精度の高い比較作業を実施するためには、不要な点を除去したり、点密度を調整してデータの条件を揃えたりすることが欠かせません。

フィルタリングによって対象物が明確化・統一化されていれば、異なる時点のデータを比較する際の精度が向上します。

その結果、差分検出や変状判定の信頼性を高められるでしょう

点群データをフィルタリングする方法5選

点群データをフィルタリングする方法は、手動で行うものから機械学習や深層学習(AI)を活用した高度な方法まで多岐にわたります。

ここでは、実務でよく用いられている代表的な方法を5つ紹介します。

点群データをフィルタリングする方法5選

  1. 手動でフィルタリングする
  2. 特定のルールを決めてフィルタリングする
  3. 複数のデータを照合してフィルタリングする
  4. 写真画像と関連付けてフィルタリングする
  5. 機械学習や深層学習(AI)を活用してフィルタリングする

1.手動でフィルタリングする

点群を目視し、不要な点を一つずつ手作業で削除する方法です。

確実に不要点を取り除けるメリットがある一方で、点数が多いほど作業負担が大きくなります。

そのため、広範囲のデータや高密度の点群では実務的な運用が難しく、部分的な補正作業として用いられるケースが一般的です。

例えば、自動フィルタリングで除去しきれなかった点に対して、仕上げとして手動で調整するケースが多く見られます。

特に構造物の細部や複雑な形状で誤判定が起きやすい部分では、手動による確認・編集が欠かせません。

また、担当者の経験や作業精度によって結果がばらつきやすい点も、手動処理ならではの注意点といえます。

2.特定のルールを決めてフィルタリングする

特定のルールを設定してフィルタリングする方法では「道路面より上の点については車両や人、植生と判断して削除する」といった条件を事前に定義し、該当する点群を一括で除去・分類します。

手作業に比べて圧倒的に効率的で、除去基準が明確である点がメリットです。

ただし、設定したルールに合致しない点はそのまま残ってしまうため、最終的には手動で微調整を行う必要があります。

また、ルールの設定が適切でない場合、必要な点まで誤って削除するリスクがあるため、地形や対象物の特性を踏まえて条件を慎重に設計することが重要です。

計測環境や現場状況が変化すると同じルールを適用しにくくなるケースもあるため、運用時には都度ルールを見直しながら調整することが求められます。

3.複数のデータを照合してフィルタリングする

複数時期、または複数の角度から取得した点群データを比較し、片方にのみ存在する点を不要点として除去する方法です。

時期による変化点や、特定方向でのみ発生するノイズを抽出できるため、精度の高いフィルタリングが可能になります

一方で、同じ地点を複数回スキャンする必要があるため、計測負荷が高くなる点がデメリットです。

また、点群同士を統合する際には高精度な位置合わせ(アライメント)が不可欠であり、この処理が不十分だと誤った差分が生じます。

さらに、環境条件や計測時期が異なる場合には、照合の前に点密度やノイズ量を揃える前処理が必要になることも多く、運用には一定の技術と労力が求められます。

4.写真画像と関連付けてフィルタリングする

点群データと写真画像を重ね合わせ、画像側で認識した物体情報をもとに不要な点を除去する方法です。

画像から得られる色情報(R, G, B)や形状情報を活用でき、車両・標識・植生などの識別精度を高められます

また、点群だけでは判断が難しい対象でも、画像情報を組み合わせることで分類しやすくなる点も特徴です。

この方法では、画像と点群の位置合わせを正確に行うことが必須です。

位置合わせが不正確な場合、誤った範囲を除去してしまう可能性があるため、慎重な調整が求められます。

また、撮影環境の影響を受けやすいため、天候・光量・撮影角度などによって認識精度が変動する点にも注意が必要です。

5.機械学習や深層学習(AI)を活用してフィルタリングする

点群に対して機械学習・深層学習モデルを用いて物体認識を行い、特定の分類に属する点を自動的に除去・分類する方法です。

樹木や車両、標識などを高精度に検出できるため、大規模なデータの処理に適しています

この方法のメリットは、膨大な点群データの処理を大幅に効率化できる点です。

特に広範囲の点群を扱うインフラ点検や都市計測では、AIを活用することで作業時間とコストを大幅に削減できます。

一方で、点群分野のAIモデルはまだ発展途上であり、精度が安定しない場合もあります。

そのため、AIで処理した結果をそのまま使用するのではなく、必要に応じて手動で補正したり、ルールベースの方法と組み合わせて精度を補完したりする運用が求められます。

フィルタリング作業でよく起きる課題

フィルタリング作業は、点群データの質を整えるために欠かせない工程ですが、さまざまな課題が発生しやすい作業でもあります。

フィルタリング作業では、以下のような課題がよく見られます。

  • ノイズが多い場合、手作業での除去作業が増え、工数が膨らみやすい
  • ルールベースの処理だけでは不要点を除去しきれず、誤分類や過剰除去が起きる
  • 点群データが重いため、処理に時間がかかり、パソコンスペックに大きく依存する
  • 複数データを比較する場合、高精度なアライメントが必要で調整が難しい

これらの課題を解決するためには、点群処理ソフトの活用がおすすめです。

点群処理ソフトを活用することで、フィルタリング作業を自動化し、作業の効率化と精度向上を図れます。

フィルタリングを自動化できる点群処理ソフトとは

AI自動クラス分類ScanX
出典:点群処理ソフト ScanX

点群処理ソフトとは、レーザースキャナーやフォトグラメトリによって取得した点群データを解析し、ノイズの除去(フィルタリング)を経て、実務で活用できる点群データへと変換するツールのことです。

点群処理ソフトは、現場で取得した膨大な点群データを読み込み、座標の位置合わせを行った上で対象外の点を自動的に除去する機能を備えています。

手作業に比べて効率的に点群データを整理できるのが強みです。

ScanXでは、AIがノイズや地表面、植生、構造物などを自動で判別・分類する機能を搭載しています。

特に地表面の分類精度は約95%と高く、仕分け作業にかかる時間を約5分の1まで短縮できます

ScanXを含むおすすめの点群処理ソフトを詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。

クラウド型の点群処理ソフトを導入するメリット

クラウド型の点群処理ソフトを導入するメリット

クラウド型の点群処理ソフトでは、高価な専用パソコンやオンプレミス型ソフトのライセンスなどを必要としません。

パソコンとWebブラウザがあればすぐに利用できるため、導入コストと運用コストを大幅に削減できる点がメリットです。

また、点群データは容量が非常に大きいため、従来は外付けHDDやUSBなどの物理媒体で受け渡す必要がありました。

クラウド型の点群処理ソフトであれば、URLを共有するだけで点群データの受け渡しが完了します。

点群データの転送にかかる手間や物理媒体の紛失リスクをなくし、遠隔地のメンバーともスムーズに共有できるようになります。

ScanXならフィルタリングの課題をクリアにして作業を効率化!

「ScanX」の特徴は、直感的なUI/UX設計です。

点群処理に慣れていない担当者でも短時間で操作を習得できます。

さらに、AIによる自動分類・自動フィルタリング機能を備えており、人が手作業で整理すると膨大な時間がかかる処理も効率的に実行できます。

ノイズ除去や地物の識別といった作業を自動化できるため、担当者の負担を大幅に軽減できる点も大きなメリットです。

ScanXを活用することで、点群処理における手間や作業負荷を抑えながら、より短い時間で精度の高い点群データの整理を実現できます。

ScanXで業務効率化に成功した事例

ScanXは、さまざまな業界・業種で導入されています。

ここでは、ScanXを活用して業務効率化に成功した事例を2つ紹介します。

フィルタリング精度の高さで生産性が向上

株式会社NiX JAPANは、富山県に本社を置き、全国の測量業務・設計業務を展開する建設コンサルタント企業です。

同社では、災害で被災した地形や構造物の地表面を抽出する際に、他社ソフトではフィルタリングが一部にしか適用されず、必要な地表面が十分に抽出できないという課題を抱えていました。

そこでScanXを試したところ、被災後の倒壊家屋・樹木・倒木・道路付属物(標識など)をAIが自動で分類し、想像以上にきれいな地表面が抽出できました。

その結果、点群のフィルタリング作業が効率的に行えるようになり、内業の手間を大幅に短縮することに成功しました

詳しくはこちらで紹介しています。

点群処理ソフトScanX 導入事例「地表面がきれいに出た」進化するScanXのフィルタリング性能-

アップロードするだけで迅速に点群処理が簡単に実現

大日本ダイヤコンサルタント株式会社様は、公共インフラを中心に調査・設計業務を手がける建設コンサルタントです。

同社では、現場で取得した点群データをScanXにアップロードするだけで、フィルタリング(ノイズ除去)から体積計測まで一通りの処理を簡単かつ迅速に完了できる点を高く評価しています

「とにかく簡単で早い」という操作性が、現場での負担軽減につながり、大きなメリットになっているとのことです。

また、同社が特に活用しているのが樹木解析機能です。

対象エリアに存在する樹木の本数・形状・位置を自動で抽出できるため、従来の手作業では時間を要した作業を大幅に効率化しています。

詳しくはこちらで紹介しています。

点群処理ソフトScanX 導入事例「人が2倍に増えたような感覚 ー 点群データをScanXに放り込めばもう終わり」

効率的なフィルタリングで点群データの精度と生産性を高めよう

点群データをフィルタリングすることで、ノイズや不要な点を取り除き、3Dモデル化に適したデータに整形できます。

しかし、多くの点群処理ソフトはオンプレミス型で提供されており、初期費用が高いことや、点群データの共有に時間がかかることなどが大きな課題です。

「ScanX」は、点群データをアップロードするだけでAIがノイズ・地表面・植生・構造物を自動判別・分類し、フィルタリング作業を大幅に効率化できます

クラウド型の点群処理ソフトであるため、インターネット環境さえあれば複数人が同時に作業できる点も特徴です。

ScanXは直感的なUI/UXで操作しやすく、初期費用ゼロで月額29,800円から利用できます。

専用機器を用意せず、パソコンやタブレットから点群処理を実行できるのもメリットです。

点群データのフィルタリングを効率化したい方は、ぜひ無料デモ・お試し処理を活用してください。

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